
4Gamer.netにて青沼氏とはじめとする『ゼルダ無双 厄災の黙示録』開発者のインタビューが掲載されました。
メールによるインタビューに答えたのはコーエーテクモゲームスの早矢仕洋介プロデューサー、松下竜太ディレクター、任天堂の青沼英二氏です。
全文は4Gamerで読んでいただくとして、注目したい発言を取り上げました。
4Gamer:
100年前の大厄災をスピンオフタイトルとして描くという構想は,いつ頃から考えていたのでしょう?
青沼氏:
企画自体はBotWの制作後にディレクターの藤林(藤林秀麿氏)から提案されたものなのですが,企画案をまとめるのにさほど時間が掛からなかったのを見ると,BotW制作時に既におぼろげな企画は彼の頭にあったのではないでしょうか。
青沼氏から早矢仕氏にオファーがあったとは聞いていましたが、藤林氏の発案だったんですね。いまのゼルダの舵を握っているのは藤林氏なんだと改めて実感しました。
コーエー側でも独自に『ゼルダ無双』の続編はどんなものがいいか議論していたようですが、なかなか方向性が見えないところに本作の提案があったということらしいです。
4Gamer:
グラフィックスや画面構成,効果音まで,徹底してゼルダの伝説BotWのものが採用されていますが,BotWに寄せていくデザインは最初から決まっていたのでしょうか。
早矢仕氏:
はい,最初からその方針でした。BotWを体験済みのユーザーの皆さんに「100年前の厄災」を体験いただくには,「BotWと強くつながっている」と感じていただく必要があると考えていましたので,徹底してBotWの要素を採用しています。
体験版で明らかでしたが、『ブレス オブ ザ ワイルド』のキャラモデル、効果音が使われていて、原作ファンの体験を尊重してくれているようです。
音楽は原作を元に、勇ましさを感じるようアレンジされているそう。
松下氏:
BotWで厄災後の世界を冒険しているときに耳にしたサウンドを,いわば氷山の一角のような手がかりとして,埋もれている100年前の姿を想像し,そこに「戦場」のキーワードを加えるような方針で制作していました。自由に冒険できるBotWと,戦争真っただ中の本作では流れる時間の早さも異なりますが,それをサウンドでも表現することを目指しました。
体験版ではアクションに夢中で音楽に耳を傾ける余裕がなかったので、製品版ではゆっくり聴いてみたいです。
4Gamer:
逆にω-Forceさん側からの「ぜひこうしたい」という提案や要望はありましたか?
松下氏:
ひとつは神獣の操作ですね。アクションゲームでは,操作して活躍することが一番の説得力を持つので,厄災との戦いにおいて神獣がいかに重要な存在なのか,体で実感するために入れている要素です。
これを含め,こちらからの提案についてゼルダチームからNGはいただかなかったように思います。逆に「もっとこうすると面白い」と背中を押していただいて天井を上げることができました。
神獣操作はコーエー側からの提案だったんですね。神獣が強大な力だったことが体感できるのは素晴らしいですね。
任天堂としては、重要なIPのタイトルであるため厳しくディレクションしていった様子が伺える話もありました。
青沼氏:
初めてSwitchで動くものを見せてもらったときは,BotWの世界を大切にしようとするあまり,それに寄せすぎた「いつもの無双と変わらないな」というのが正直な印象でした。
私がそう感じる以上に,早矢仕さんもそこを問題視されていて,以降「今作ならではの無双体験」とするためにいろいろと工夫されて,2度目に見せてもらったものは「なるほど! そう来ましたか」と思わず唸ってしまうような手応えを随所に感じるようになりました。
以降は今作ならではの遊びの隅々に磨きがかかって,やり込み要素など,奥行きの深いものになったと感じましたが,開発期間中にそれらをすべて遊び込むことはできなかったので,製品版でもう一度最初から遊ぼうと私自身,発売を楽しみにしているところです。
松下氏:
2度目に見てもらった実機デモでは,「BotW体験」である以上に,遊んでいただくユーザー様の新体験になることを目標に,「はっちゃけのビフォーアフター」のようなものを感じてもらえるように力を入れしました。
中でもリンクのリモコンバクダンにはそのメッセージを強く込めていて,全力で4発を投擲する投げ方にしたのが,まさにこのときでした。「今作ならではのアプローチは,やはり無双の持ち味を生かしたものであるべき」という回答ですね。このバージョンの制作は,開発チームにとっても「いつもの無双」を一皮むけたものにする大きな転機だったと思っています。
今後の無双タイトルにも良い影響を与えそうですね。
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