
『バラン・ワンダーワールド』に熱狂していたファンが、体験版をプレイして期待が薄れているという記事が海外で投稿されました。その原因を探ります。
『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』や『ナイツ』などを手掛け世界のゲームファンから尊敬されている中裕司氏の久しぶりの新作『バラン・ワンダーワールド』が発表されると、オールドゲームファンの間で大きな盛り上がりをみせました。
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本作はミュージカルをテーマにした3Dアクションで、異なる能力を持った80種類もの衣装を着替えながら、人々の夢の中の世界を冒険します。ディズニーのような生き生きとしたキャラクターとジオラマのようなアートスタイルで、どんなゲーム体験ができるのか期待されていました。
しかし、1月28日に体験版が配信されたあとから、失望の声がSNSなどで挙がってきました。
不親切な設計
まず、Switch版のパフォーマンスに問題があり、プレイに集中できないことが挙げられています。そして力を入れていると言っていたPS5版も最適化されておらず、ポップアップが頻繁に発生すると指摘されています。

ゲームシステムの要である衣装システムですが、敵に当たると変身が解けてしまい、また取りに行かなくてはいけないのが非常にストレスとなります。衣装をストックできるものの、数が限られているので不親切さを感じます。
ステージ上でシルクハットを見つけると始まるミニゲーム「バランチャレンジ」がありますが、これもタイミングを合わせてボタンを押すだけの単純なもので、アクションゲームの中に登場するとより退屈に感じます。さらにタイミングによってスコアが変わるので、ベストスコアを取って報酬を得るため何度もトライすることになりますが、一度ステージを出ないとリトライできないためやる気を削がれます。
ボタン操作の不満
海外では○が決定でXがキャンセルだということに不満があがっていました。これはローカライズにも不備があるということになります。また、設定画面などではすべてのボタンが決定ボタンとなっていて、戻るためには「戻る」にカーソルを合わせて決定、という手順を踏まなければならず、感覚的にキャンセルボタンを押して間違えるため余計なストレスとなります。
ゲーム中どのボタンを押しても同じアクションをするというのも退屈さを加速させています。最初は面白かった衣装チェンジも、一つの衣装に一つのアクションしかないので頻繁に衣装チェンジせざるを得ず、さらにチェンジのたびに1.5秒ほどの演出が入るため、徐々に気持ちが離れていくのを感じます。
アクションゲームとしての未完成さ

一番の問題は操作していて気持ちよくないということにつきます。スティックを倒すとキャラクターがバタバタと氷の上かのように緩慢に歩き出し、ほとんどの衣装で移動速度が遅すぎます。ジャンプもポーンと上に放り出されたかのようで、キャラクターを自分の体のように動かすというアクションゲームの醍醐味はありません。今どきのPRGのほうがよっぽどアクションしているくらいです。
事前情報がなければまさかこのゲームが『ソニック』の中氏の手掛けたゲームだとは思わないでしょう。『ソニックアドベンチャー』、『ナイツ』、『バーニングレンジャー』と同じ3Dアクションゲームで名作を手掛けていた中氏はどこへいったのでしょうか。
多くのセガファンと同じく筆者も期待して心を踊らせていたのですが、体験版にはがっかりさせられました。お願いですから発売を延期し、操作感とゲームのテンポを見直してほしいです。キャラクターと音楽は最高…と言いたいのですが、音楽も(効果音を含めたサウンド全般です)使い方に疑問があり、意識が行き届いていないと感じました。
Switchでは衣装チェンジと似たギミックを持つ『マリオオデッセイ』という傑作があるのでどうしても比較してしまい、この差は何なのだろうと考え込んでしまいます。世界から体験版のフィードバックが届いていると思いますが、中氏は今なにを思っているのでしょうか?
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