『メトロイド ドレッド』はインディーゲームに学ぶべきか

『メトロイド ドレッド』はインディーゲームに学ぶべきか

海外ゲームメディアGameInformerに「『メトロイド ドレッド』はインディーゲームからヒントを得るべきだ」という記事が投稿されたので紹介します。


メトロイドヴァニアのブーム

2009年にChair Entertainmentが開発、Epic Gamesが販売した『シャドウ・コンプレックス』は、巨大な地下施設を探索する男が、ハイテク機器を少しずつ手に入れて一人前の軍人になっていくというストーリーの横スクロール型プラットフォーマーです。私がこのタイトルに興奮したのは、開発者がインスピレーションを受けたものについて語る際に、ある言葉を使ったからです。その言葉とは『メトロイド』。

2009年当時、『メトロイド』のようなゲームは珍しかったので、『シャドウ・コンプレックス』は新鮮に感じられました。しかし今ではもうそんなことはありません。2021年だけでも、『エンダー・リリー』、『グリーク: アズールの記憶』、『ナリタボーイ』、『アスタロン:地球の涙』、『フィスト 紅蓮城の闇』、『Axiom Verge 2』など、任天堂の名作からインスピレーションを受けた作品が登場し、そして10月には任天堂から『メトロイド ドレッド』が発売されます。今日では『メトロイド』に影響を受けたゲームをすべて把握するのは不可能に近いです。

このように『メトロイド』を真似たゲームが大量に登場することは、ファンにとっては非常に喜ばしいことですが、すべての始まりとなったフランチャイズにとってはどうなるのか心配です。この10年間のインディーゲームブームにより、小規模なチームや開発者が『メトロイド』のシステムに豊かで独創的なひねりを加えてきましたが、任天堂はその革新性に追いつくことができるでしょうか?

話を戻すと、初代『メトロイド』は、従来のアクション/プラットフォーマーの概念を覆した点で高く評価されています。初代『メトロイド』は、プレイヤーを不気味な異星人の世界に連れて行き、探索と、新しいエリアにアクセスするためのパワーアップに大きな焦点を当てました。『スーパーメトロイド』で任天堂はこのシステムを完成させました。『スーパーメトロイド』は、「探索」と、「より深い探索を可能にするための報酬」が完璧に融合していました。それに加えて、使いやすいマップ、雰囲気、素晴らしいサウンドトラックがあれば、『スーパーメトロイド』が今日の多くのゲームの雛形となった理由は容易に理解できるでしょう。

そして、そのテンプレートを使ってゲーム制作に乗り出したスタジオはたくさんあります。Drinkbox Studiosの『Guacamelee』シリーズは、格闘ゲームの要素を取り入れ、Moon Studioの『Ori』シリーズは、心を奪われるような美しい世界観と心に響く物語、そして完璧なプラットフォームを融合させています。Villa Gorillaの『Yoku’s Island Express』は、メトロイドの探索要素とピンボールの仕組みを組み合わせて、とても楽しい体験を提供してくれました。そして、Motion Twinの『Dead Cells』は、ローグライクな要素と組み合わせていて、私はローグライクが好きなのかもしれないとようやく気づきました。

スチームワールド・ディグ 2』や『Hollow Knight』、そしてもちろん『悪魔城ドラキュラ』のようなゲームについては、まだまだ語り尽くせません。この種のゲームをプレイしない人でも、ここ数年でメトロイドライクなゲームが爆発的に増えていることには気づいているはずでしょう。いろいろな意味で、メトロイドのようなゲームのファンであることはかつてないほど幸福な時代になりました。その一方で、『メトロイド』自体には何も残されていないようにも感じられます。

『メトロイド ドレッド』はフォロワーたちに勝てるのか?

私はこのジャンルの将来を心配しているわけではありません。インディー開発者たちは、このユニークなサブジャンルに新しく独創的な作品をリスト入りさせ続けると思います。しかし、メトロイドシリーズの将来については心配しています。任天堂の古典的なシリーズが、現在のアイデア市場では少し古臭く感じられ始めているのではないかと心配しています。

『スーパーメトロイド』は今でも楽しく遊べる作品ですが、任天堂は約30年間そのシステムを見直していません(メトロイドが3Dゲームに進出したことはさておき)。1994年以降、任天堂は2Dのメトロイドを3タイトルしか発売していなません。『メトロイドフュージョン』、『メトロイド ゼロミッション』、『メトロイド サムスリターンズ』です。この3タイトルはどれも面白いですが、それは既成のパターンに忠実だからです。確かに『フュージョン』では崖をつかんだり、はしごを登ったりする機能が追加され、『ゼロミッション』ではサムスがスーツを脱ぐ場面があり、『サムスリターンズ』では近距離からの攻撃が追加されてアクション性が向上しましたが、これらは微調整に過ぎません。3作とも基本的には同じデザインを新しい環境に落とし込んだものと言えるでしょう。

『メトロイド』シリーズには、先に挙げた多くのインディーゲームのように、もっとワイルドに挑戦してほしいと思います。もし任天堂が『悪魔城ドラキュラ』のようなRPGシステムを導入したらどうだろう? あるいは『ブレス オブ ザ ワイルド』に習って、ゲームの最初にすべての道具を渡して、どのような順番でも目的を達成できるようにしたら? また、『メトロイド』が協力プレイに対応したり、ストーリーが分岐したり、ポータルガンを搭載したらどうでしょう? ポータルガンがあればどんあゲームでも良くなりますよね?

これらのアイデアはすべて『メトロイド』にとって素晴らしいものではないでしょう。しかし、刺激的な発見は意外なところからやってくるものです。もしシリーズが今後30年以上私たちと一緒にいるつもりなら、『メトロイド』は成長しなければなりません。自分たちの愛する枠の外で考え始める必要があるのです。

私は『メトロイド』のゲームデザインを派生させすぎたいわけではありません。『メトロイド』のシステムは今でも楽しめますが、『スーパーメトロイド』を初めてプレイしたときのドキドキ感は薄れてきています。『メトロイド ドレッド』は10月に発売を控えていて、私はプレイするのを楽しみにしています。任天堂はきっとこの試行錯誤されたシステムに加えるいくつかの新しいアイデアを見つけたのでしょう。もしかしたら、このシステムを予想外の方法で変えてしまうかもしれません。

もしそうはならないとしたら、任天堂にはもっとインディーゲーム開発者のように考え、革新的なことに挑戦してほしいです。


おそらくこの記事のライターは『メトロイド』の大ファンなんでしょうね。確かに本家がフォロワーに見劣りするのは寂しいです。ただ、『メトロイド ドレッド』はこれまでのシリーズ作品から刷新されることはないと思います。「恐怖」というエッセンスこそありますが、これまでと同様のシステムになるはずです。しかしこれまでのように完璧なクオリティを期待できるので、まったく不安はないです。

メトロイドヴァニアファンは記事で上げられたゲームをすでに遊んだことがあると思いますが、どれもかなりの名作なのでプレイしてみてください。なかでも知名度が低い(と個人的に感じる)『Yoku’s Island Express』は本当に楽しいです。続編を出してほしいくらいです。

同ジャンルの始祖の最新作『メトロイド ドレッド』は10月8日に発売予定で、現在予約受付中です。

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